AKANET4号

土地の有効利用を図りながら

快適な住み方を考える

<ペントハウスに住む>と<グランドメゾネットに住む>

 土地神話の崩壊後、大都市での街づくりのあり方は大きな

転換期を迎えています。これまでのように「土地は持ってい

るだけで価値がある」と考える時代から「土地は生かして使

われてはじめて価値を持つ」時代へと変わりました。

 都市の持つ社会資本を十分享受し、都市で人が快適に住み

続けたいという要求をいかに解決していくかが、21世紀の

都市開発のキーワードと考えます。東京は狭くて土地が無い

と言われていますが、有効に利用しさえすればまだまだ土地

はあるのです。

 そこで茜設計で手掛けた2つの建物を取り上げ、ハードウ

ェアとしての都市型住居のあり方を紹介いたします。


CASE1 MFビル

ペントハウス(最上階住居)に住む

・快適性と安全性の確保

 14階建ての免震建築として、本年3月に竣工(本誌創刊

号で紹介)したMFビルは、2〜13階に賃借共同住宅、最

上階にオーナー住宅二世帯が設けられています。

 この最上階オーナー住宅は、東京の都市景観を満喫できる

ような眺望重視のプラン構成、高層住宅特有の高所恐怖感を

和らげる様々な配慮、リビング・ダイニングから屋上庭園へ

の視覚的流動感など、快適性を追求した建物となっています

オーナー住宅と屋上庭園

MFビル全景

 又、二世帯の住宅の外周部に屋上庭園を設け、回遊できる

ようにすることによって、日照・通風と二世帯住宅相互間の

プライバシーの確保に配慮しています。

 快適性と共に安全性については14階であっても免震構造

により、大地震でも家具の転倒等がなく、又1階のオートロ

ックのエントランスホールより14階のペントハウスまで直

通の専用エレベーターによって部外者の侵入等に対する安全

性を高める設計となっています。

 このように、オーナー住宅は、ペントハウスならではの快

適性と安全性を最大限生かした住宅となっています。

 オーナーの深野さんは「今まで土地の上に直接住むことが

最高だと思っていたので、ペントハウスに住むことに多少不

安がありました。思い切って発想を変えて決断したことで、

都会でもこんなに快適に生活ができるのだと驚いています。

眺めも素晴らしく、地上とは一味違った四季の変化を満喫

しています。人生観まで変わったようです」と大満足です。

(冨重)

ガーデニングも楽しめる屋上庭園

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