集合住宅の防音(新築)東京都板橋区.

ESPOミュージシャンハウス向原

完全防音で空間透過損失65dBを実現

乾式浮き床構造で床衝撃音に完璧に対処

 最近、防音マンションと呼ばれる集合住宅が増加している。

 防音と一口にいってもグレードによってピンからキリまであ

るのだが、本格的なものは床・天井・壁すべてを浮き構造とし

て徹底しており、深夜にピアノを弾きまくっても外にはほとん

ど聞こえない。もちろん、音楽大学の学生や、プロのミュージ

シャンといった人が主に入居するが、休日に仲間とジャズセッ

ションを楽しむのが趣味というイキなサラリーマンや、家事の

合間にピアノを教えたいといった女性などにも人気が高く、プ

ロの音楽家向けという特殊性が薄れてきているのが最近の傾向

だ。

 ここは東京都板橋区、営団地下鉄有楽町線小竹向原駅のすぐ

近くの、静かな住宅地の中に建てられた防音マンション。徒歩

圏内に日大芸術学部や武蔵野音大があり、池袋の東京音大には

地下鉄一本で行けるという抜群の立地条件である。

 今回の設計を担当した茜設計の冨重さんによれば、

「この建物では、一種住専地域で民家と路地をはさんで隣接し

ており、オーナーのエスポさんが音に対してたいへん関心が高

いということもありまして、室間透過損失でD−65以上という

建 築 主:潟Gスポ

設計監理:活ゥ設計

施  工:望月建設

防音施工:松下電工リ

     ファイン

敷地面積:302.36u

建築面積:180.4u

   傾斜地に建てられたこのマンション

は、地下部分が純ラーメン構造、地

上部分は壁式構造をとっている。「

一種住専なので各種の規制が厳しく

しかもかなり勾配のきつい傾斜地で

小さい建物の割には設計に苦心しま

した」

かなり高い水準の完全防音を目ざしました」とのこと。立地条

件のよさも手伝って、お家賃も月額12万円とやや高めではある

 ちなみに、冨重さんの所属する茜設計は、もともと航空機騒

音が激しい地域の住宅などをはじめとして、音にうるさい建物

の設計をここ20年あまり数多く手掛けてきた。もちろん、環境

測定などのデータ集めから防音設計、音響調整まですべて自前

でこなしているという。

 

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