ピアノの演奏音の大きさ

 ピアノの音というのは、どの程度の大きさを持つものなのか騒音の

大きさ(強さ)は、実用的には、dB(A)という単位で示される。

これと別に、ホン(phon)で示される単位(ラウドネス)など、

音の物理量の定義方法はいくつかある。ここで、(A)というの

は、普通騒音計のA特性で読み取った騒音値という意味でA特

性というのは聴感補正の1つである。聴感補正はA特性が一般

に使われており、C特性は航空機騒音の評価などに使われる程

度。

 ピアノの騒音レベルは、周波数のスペクトルによるグラフの

凹凸はあるが、音源から1〜2mのところで測った場合、一般

に90〜100dB程度である。他の楽器と比べてみると、トランペ

ットをミュートをつけずに吹いた場合が120〜130dB、スネアド

ラムを叩く音が110〜120dB、プロの声楽で100〜110dB程度とな

る。

 他の騒音との比較では、地下鉄の構内が90〜100dB、ボウリ

ング場やパチンコ店の店内が70〜80dB、水洗便所の排水の流れ

る音が60dB程度である。こうして比較してみると、ピアノの演

奏音はかなりの騒音レベルを持つことがわかる。また、その周

波数特性(音の成分)を調べてみると、中音域から高音域にか

けてピークがある。

 では、これだけ大きいピアノの演奏音をシャットするには、

具体的にどのような防音構造が必要とされるのか。今回の建物

でとられた防音仕様を詳しくみてみよう。

 

 前のページへ  4ページへ